• テキストサイズ

PRISM LINE【ワールドトリガー】

第2章 迷宮のダンジョン



頭痛と喉の痛みと関節の痛み。背中はゾクゾクするのに顔だけはやたらと熱くてぼーっとする。まずいな。久しぶりに風邪ひいた。


“お疲れさまです。ちょっと聞きたいんですけど、生身が負傷したままトリオン体になったら痛みとか辛いのって、なくなります?”


明け方、喉の渇きで起きたらすぐに異変に気付いた。冷蔵庫に入ってたスポーツドリンクと一緒に薬も飲んだけど手遅れだった。

毛布から手を出すだけで寒い。腕の付け根のところで丸まって寝ているしし丸と、シーツの間に滑り込ませた指先があったかくて、このままもう一度意識を落としたい衝動には全力で逆らった。


太刀川さんに送ったメッセージはすぐに既読になったけど、中々こない通知音とポップアップに痺れを切らして瞼を閉じる。

寝ないよ、寝ない。ちょっと瞑るだけだと自分に言い聞かせたけど、それがいけなかった。次に目を開けて時計と端末を確認して絶句。

だるさのせいで半分しか開かない目を、どう頑張って使っても、短針がてっぺんのひとつ右横まで進んでる風にしか見えない。太刀川さんにメッセージ送ったのって、朝の8時だったのに、だ。

焦る気持ちとは裏腹に、体が言うことを聞いてくれなくて、鈍い動作で返信を読むけど、読むだけ。頭になんか到底入ってこなかった。


“したことないけどそりゃトリオン体だからな。無痛設定にしてりゃなんも感じないだろ”
“つーか、なにいきなり。怪我でもしたのか?”
“あ、そうそう、今日10時に本部予定だったけどちょっと遅れるわ俺。その辺のヤツてきとーに捕まえて模擬戦やっとけよ”
“おいこら無視か”
“おいって”


頭には入ってこなかったけど、この後の数件の不在着信まで見てしまえば、色々としでかしたのだけは分かる。あー、やばい。どうしよ。いや、どうしよって、とりあえず連絡でしょ。

ホントは起きるのもキツい。でもそんなこと言ってられない。ベッドの上で正座する勢いで無理やり体を起こした。


自分に非がある時って、なんでこんなに緊張するんだろ。持ってる端末も自分の気持ちも石みたいに重く感じる。それにそう言う時に限って普段あんまり鳴らないインターホンが数度響く。どうせ訪販か新聞の勧誘だろうと放っておいたら、ドアノブがガチャリと音を立てて回った。え?


/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp