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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第1章 シークレットメロディ



「太刀川さん、明日ってヒマ?」
「明日?明日は1日大学で、そのあとはー、」
「あー、いいよいいよ、予定入ってんなら」
「お前またなんか企んでんの?」
「いや、そうじゃないんだけどさ、ちょっとね」
「私情ならお断りだぞ」
「ちがうちがう、そんなのに使わないって」
「だといいけど」
「あ、そうそう、もし花衣ちゃんになんか言われたらおれんとこ連絡してもらっていい?」
「望月?なに、まだ追っかけ回してんの?おまえもヒマだねぇ」
「やだなー太刀川さん、これも仕事だよ」








珍しく本部に顔を出した迅が、模擬戦ブースから出た俺に声をかけてきたのはちょうど昨日の今ぐらいの時間帯だった。

またこそこそと大好きな趣味に没頭していることは知っていたが、その趣味とやらに俺の友人が関与しているとなると大なり小なり気にはなるもんで。
そろそろカマをかけようかと目論んでいた矢先、ありがたい事にあっちから話を振ってきてくれた。

未来視か、それとも別の思惑か。どちらにせよアイツの言い分を無視できないのが癪だ。毎回手のひらで踊らされている感覚には、中々慣れるもんじゃない。

アイツの言葉を、頭の一番隅っこに追いやったのは細やかな抵抗だった。


「た、たちかわさん!?」
「ん?」
「ん?じゃなくて!なんであの人呼ぶんですか!?」
「なんとなく、そう言う気分だったから?」


そんな何を考えているのか、そこそこの付き合いがある俺ですら掴めずにいるアイツのおメガネに、意図せず叶ってしまった可哀想な女は、目の前で迅の名前を出した途端に顔色が変わった。
毛嫌いしているのも付き纏われてうんざりしているのも知ってた。

じゃあ知っていてわざと望月の一番嫌がる状況を今から作ろうとしているのか、と聞かれたらそこまで俺も鬼じゃない。作らざる得ないほどの事を、コイツが口にしたからだ。

何か言われたら連絡しろ。今日俺が望月と会うのも話しを持ち掛けられるのも分かってたくせに、面倒な言い回しをする辺りはやはり食えないやつだと思う。


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