第21章 行っちゃだめ
そうしたら、また、
『ガタ!』って音がして、また見に行くと、また落ちているんだ。
母さんの写真。
振り返ると、この時点でかなりおかしいんだけど、ちょっと俺、このときアドレナリン出まくってて、なんか傾いてんのかなとか思って、母さんの写真を伏せてさ、それじゃあ、ってわけで、また家を出ようとする、そうしたらさ、今度は玄関で
『 ピシッ! 』 『 バシッ! 』
って、空気を弾くような変な音が二回鳴ったんだ 。もうびっくりして、あたりを見回すわけ。
でも、音の出どころはわからない。
もう、一体何だよってなるじゃん?でも、早く行かないと約束の時間になっちゃうし、逃げたと思われるのシャクじゃん?で、出ようとする。
そしたら、今度は急に携帯の着信が鳴るんだよね。
誰だよ!こんな時にって
ポケットに手突っ込んで携帯出てみたらさ、
『行っちゃだめ!』
って急に電話口で怒鳴られて、プツンて切れたんだ。
・・・・ああ、そう、女の人の声。
聞いたことない声だったよ。
着信は番号非通知だから誰からかわからない。
ツー、ツーって鳴っている携帯片手にさ、
さすがに背筋が寒くなったわ。
ああ、母さんが『行くな』って言ってるって
結局どうしたか?・・・行かなかったよ。
アドレナリン引いたのもあるけど、ダチには行くのやめようってメッセージしてさ
結局、その後、俺らが相手にしようとしていたグループがさ、他のグループとやりあって殺人未遂で捕まってたよ。
やっぱ、あの時行ってたら俺、死んでたかもね。