第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】
「うっし。ようやく東京 抜けたな」
「もう遅いし、一旦 どっか泊まるか」
伏黒が足を止めて周りを見渡すと、虎杖も「だな」とホテルを探すように辺りをキョロキョロした。
思ったより時間が掛かっている。襲ってくる呪霊を放置はできないから祓いながら進まなければならないし、東京の交通インフラは全て止まっている。
ここから先は交通機関もそれなりに動いているだろうから、ここに来るまでよりはスムーズに進むだろう。
しかし、ホテルに泊まるのはいいが、普通に受付へ行けば通報案件だ。こんな夜中に、しかも飛び込みで学生を泊めてくれるホテルがあるだろうか。
そう考えていると、詞織が不意に口を開いた。
「この辺りなら、高専の系列ホテルがある。前に任務で泊まった」
「おっ、マジ? 野宿でも文句は言わねぇけどさ、やっぱベッドで寝たいよな」
バカか。自分と虎杖だけならまだしも、詞織が一緒なのだ。野宿なんて許さないし、絶対にさせない。何が何でもホテルを探す。
「こっち」
細い指を彼方へ向け、詞織が先導してくれた。
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