白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】
第11章 ○ 番外編 ~ 18歳の誕生日 ~ ●
星歌の18歳の誕生日。緒方家のリビングは、いつもより少しだけ特別な緊張感に包まれている。テーブルには、緒方の手料理や「18」のチョコプレートが飾られたケーキが並んでいる。ケーキは、星歌が好きな洋菓子店で緒方が予約したものだ。
インターホンが鳴り、モニターには星歌の姿。
「精次さん、おじゃまします」
ひまわりのブレスレットが、星歌の手首で小さく揺れている。
緒方はドアが開くなり、今日のために準備していたプレゼントを星歌の目の前に差し出した。
「誕生日、おめでとう」
「これ、プレゼント…?」
「18歳のキミにぴったりだと思った」
星歌はボックスを胸にギュッと抱きしめる。
「ありがとう!嬉しい!」
緒方は星歌の頭を優しく撫でて、肩を抱きながら部屋へ連れて行く。
「すごいごちそう…精次さん、作ってくれたの?」
「ああ、今日は誕生日会だからな。星歌の好物もあるぞ」
星歌は満面の笑みでテーブルにつく。
「精次さん、本当に料理上手!どれもおいしいね!」
ディナーのあとにはバースデーケーキ。
「ろうそく、フーッてする?」
「ああ、今、火着けるからな」
緒方は愛用のZippoでろうそくに火を灯し、部屋の明かりを消す。
「なんか緊張する~」
星歌は笑いながらも大きく息を吸い、炎を吹き消す。部屋は暗闇に包まれる。
緒方は星歌の手に、自分の手をそっと重ねた。
「18歳だな」
「…うん」
「少し大人になった」
「…うん」
「何歳になっても、星歌は…オレの最愛の人だ」
「…うん、私も…」
星歌は照れくさそうに、そして嬉しそうに、小さく頷いた。
緒方が立ち上がり、灯りをつける。星歌が眩しそうに目を細める様子を見て、緒方は思わずクスッと笑みをこぼす。
星歌は、プレゼントのボックスを手にする。
「…開けていい?」
「ああ」
星歌はゆっくりとリボンを解き、そっとふたを開ける。
中身を見て喜ぶ星歌の笑顔は、緒方にとって最大のプレゼントだった。