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天狐あやかし秘譚

第79章 竜虎相搏(りゅうこそうはく)


そう判断した時、私は声を上げていた。
「みんな!上!!」

その声でダリと九条も上方に目を向ける。そこでやっとわだかまる妙な気配に気づいたようだった。しかし、視認し、対処するより、敵の方が一歩動きが早かった。

「おっせーよ!・・・弾けろっ!小玉鼠(こだまねずみ)!!」

鋭い声が木の上から聞こえてきた。その声に応じるように、ダリと九条、それから御九里たちの足元から轟音とともにオレンジ色の光が炸裂する。

ドン、ドン、ドン、ドンっ!

ば・・・爆弾!?

それはあたかも複数の爆弾が彼らの足元で連鎖的に爆発したかのようだった。幸い、私の近くでは爆発をすることはなかったものの、オレンジの閃光が溢れた瞬間、顔にものすごい熱気を感じ、思わず腕で顔を覆う。次いで押し寄せた爆風が土煙を巻き上げ、あたりは一瞬にして何も見えなくなる。私もまた風圧に押しのけられ、尻餅をついてしまった。

これほどの威力のものが足元で直接炸裂したとしたら・・・!

「だ・・・ダリっ!!」

心配で声を上げるが、もうもうとする土煙の中、彼らの安否を知ることはできない。『ダリ!!』もう一度叫ぶ。20秒ほどしてやっとのことで土煙が薄くなり、周囲の様子が薄っすらとわかってきた。

良かった!

広場の手前、ダリは槍の石づきを地面に突き刺し、自らの周辺に薄白色に輝く障壁をまとっていた。おそらく結界を張ったのだろう。見る限り大きな怪我はないようだ。視線を右にやると、ダリの右手5メートルほどのところで、九条が左半身の衣服を吹き飛ばされ、膝をついていた。

大丈夫なの!?

そう思って見たのだが、不思議なことに怪我をしているのは左半身のみで、右半身はほぼ無傷のようだ。右手に持っていた短棒の先端にある青色の玉が鈍く光っており、その光に覆われている部分が無傷であるところをみると、あの玉が何らかの方法で彼を守ったのだろうと思えた。

そして、広場の奥、御九里と日暮はその衣服が破れたり煤けたりしている様子が見て取れるものの、普通に立っている。
「ああ!びっくりした〜!!九条さん!おかげで助かりました!」
そう言った日暮の肩に乗っていたはずの白鷺姫がいなくなっている。もしかしたら九条の式神『白鷺姫』がどうにかして彼女たちを守ったのかもしれない。
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