第72章 死生有命(しせいゆうめい)
「久那土神と言えば、イザナギが黄泉から立ち戻った時に投げ捨てた杖から現れた『道を封印する神』・・・もしかしたら失われた祭具『衝立の杖』(つきたつのつえ)に巡り会えちゃうかも♪」
・・・
「ね?一緒に探しましょう?」
ちらりと後ろを伺う。うるると目をうるませている土門の表情が若干気になるが、学術的に久那土神にまつわる文献や資料は非常に貴重である。
「わかり・・・ました・・・」
私が了承した途端、『よっしゃ!』とばかりに彼女が小さくガッツポーズをしたのは、この際、見なかったことにしよう。
こうして、私は土門とともに、『辻神事案』の調査に臨むことになったのである。