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天狐あやかし秘譚

第72章 死生有命(しせいゆうめい)


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【死生有命】人が生まれたり死んだりすることは、天命によって定められたものであり、どうすることもできないということ。
自由意志は何処いった!?みたいな。
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【1ヶ月ほど前の3月下旬】
女がひとり、闇の中、息を切らせて必死に走っていた。
女は20代後半くらいだろうか、顔を引きつらせ、必死の形相で森を疾駆していた。足元はストッキングのみで靴をはいていない。舗装も何もされてない自然のままの道なき道をそのままの状態で駆けていたものだから、足の裏は小石などを何度も踏み、傷だらけになっていた。しかし、そんなことにかまっていられないほど、女は焦っていた。

なんで・・・なんであんなことに!?

何が起こったのか、全くわからなかった。
わからないが、アレから逃げなければ命がない、ということはわかった。

逃げなくちゃ、逃げなくちゃ・・・

眼の前の藪を手で強引に切り開き、女は進み続けた。
ガサガサガサ・・・
そんな女の後ろで、灌木が音を立てる。

「ひぃ!」

小さく悲鳴を上げる。怖くて後ろを振り向くこともできない。

アレが・・・追いついてきた・・・。
デタラメに森の中を駆けてきたので、何処をどう走ってるかもうわからない。彼と乗ってきた車まで戻れれば違うのかもしれないが、それがどこなのか、もう全く方向がわからない。

そんな女の目の前、木々の間をさーっと光が一本横切ったのが見えた。

ヘッドライト!?

道路があるんだ。人がいるんだ!
あそこまで行けば助かる・・・。
車に乗せてもらえれば、アレから逃げられる・・・!
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