第95章 絶体絶命(ぜったいぜつめい)
凛としてその姿勢を崩さない大鹿島の姿は、年若い敷島に安心感をもたらした。敷島もまた、大鹿島の隣で結界維持のための呪言を唱え始めた。
「伝令・・・烏丸及び全ての祭部の術者に伝えなさい。
結界の維持を最優先に。
皆で、日本を守るのです・・・と」
はっ!
伝令役の陰陽生が一度頭を垂れ、祭壇前から走り去る。
去りゆく彼の気配を感じながら、大鹿島は目を閉じ、必死に結界内の様子を探る。
ーお願いします。信じておりますよ、土御門殿・・・あなたなら、必ずやこの国を守ってくれると。
そしてなおさら強く、唱え続ける呪言に、念を込めていった。