第5章 籠✳︎
感覚では彼のことを理解できなかった。
今起こっていることをそのまま受け入れようと、さやかは薄く目を開く。
目に飛び込んできたのは教祖様の美しい顔が欲で歪んでいるところだった。
眉も目尻も下がり、口角は不敵に上がりきっている。
「やっと俺の方を見てくれたんだね!綺麗だよ、さやか」
童磨はゆっくりと顔を近づけてさやかの首をぺろりと舐めた。
一方間違えば殺されてしまいそうな不安と、初めて体に感じる他人の舌に、さやかの感覚が混乱する。
「ひっ!うぅ……ゃっだっ、教祖様ぁ…」
クスッと笑う声が自分の顎の下から聞こえてくる。
だんだん下に降りていくようだ。
鎖骨を何度も舌が往復し、自分から聞いたことのない甘い声が溢れていく。