第5章 籠✳︎
大きなベッドの上でさやかは童磨に見つめられていた。
大きな手はさやかの髪をするりと撫でると、長い爪を頬の位置に添えた。
何をされるかわからない不安で目をきゅっと固く瞑った。
「そんなに固くならなくていい。さやかを殺しはしないさ」
柔らかい声が降ってくる。この頃にはさやかは童磨に対しての恐怖を忘れてしまっていた。
どこか不気味で何かを隠されているこの寺院にも時間が体を慣らしてしまったようだ。
その時、唇に柔らかいものが触れた。
「ははっ」
楽しそうな笑い声が小さく至近距離で聞こえ、それが唇であることを知る。
さやかは抵抗することもなく、忘れかけていた初めての接吻を思い出す。
(……っ)
唇はさやかの上唇の柔らかさを確かめるように何度も押し当てられる。
そして下唇を唇で挟まれ、湿った舌がぬるりとさやかのそこを撫でた。