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The usual one【ヒロアカ中心】

第9章 事情聴取(相澤消太)


 そう思った所で、急に相澤さんの顔が浮かんでしまった。

 『今日、これから予定ありますか?』
 
 という言葉が蘇る。

 予定、作れたじゃん。

 あー……こんなつまんない事になるなら、相澤さんと……

 え?

 相澤さんと、何?今私、何考えてた?ちょっと……もぉ……

 「どうしたの?繭莉。顔真っ赤」
 優愛にツッコまれて、私は我に返った。
 「あ!いや、なんでも……ない、かな……?」
 「何でもありそうな顔、してるけど」
 「……き、聞いてよ優愛……実はさ……」

 私は、あっさり優愛に事の経緯を吐いた。

 「えぇっ!?そんなんある!?」
 信じられんといった感じで優愛が素っ頓狂な声を上げる。
 「ホント、そうよね……ちょっと私もよく、分かんなくて」
 グラスに口をつけると、冷えたお酒が口の中に入ってきてちょっと顔の火照りが冷めるような気がした。
 「一方的に知ってて、いきなりキスとか……本当嵐のような男だわ、そいつ」
 「……だよねぇ……」
 
 相澤さんが、どこまで本気でああしたのかは分からない。

 それでも、あの行動で彼を気になりかけてしまってるのも紛れもない事実な訳で。

 ……モヤッモヤ、するぅ……!

 「優愛、私今日はもう……飲むわ」

 こんなん、飲まんとやってられんわ!

 私は、思い切り持っていたグラスを傾けた。

 ……はず、だった。

 「飲みすぎ、良くないですよ」
 誰かにパッとグラスを取られていた。
 「え」
 後ろを振り返って見ると、そこには私のグラスを持った相澤さんがいて、正直吃驚した。
 「あい、ざわさん?」
 「へっ?」
 コイツが?みたいな顔で私を見てくる優愛。
 アイコンタクトで、そうです感を出す私。

 っていうか何で居るんだ?こんな所に。
 
 「ど、どうして……」
 「調べたら、今日ここら辺でやってる街コン、これしかなかったんで」

 そんなんで、急に登録したんか……

 すっごい、行動力ね……この人が総理大臣になったら、最速で日本の明るい未来、見えそうだよ……

 「そうなんですか……」
 何だかもう助け舟を出して欲しくて、優愛に視線を送るとこっそりサムズアップされる。

 まぁ頑張れ、的な意味合いなんだろうけど。

 「私、ちょっと行ってくるね」
 優愛がそう言い残してどっかに行ってしまった。
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