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The usual one【ヒロアカ中心】

第8章 恋人ごっこ(ホークス)


 「酔ってて全部、覚えてないのかと思った」
 思った事をそのまま言うと、繭莉は顔だけ振り向いた。

 ちょっとばつが悪そうな、そんな表情で。

 「……覚えてるよ……酔ってる所為に、したかったの。全部」
 「……じゃあ、俺の事好きって言ったのも覚えてたんだ」

 「……うん……」

 それだけ言うと、繭莉は前を向いてしまった。

 けど……

 「耳、真っ赤」
 「……だって……」

 なんだよ。

 ホント、可愛いなぁ。

 「好きだよ」
 「言わないでって、言ってる……」

 なんか、程遠いんだけどまるで付き合いたてのカップルみたいに手を繋いで歩いた。





 結局、行きついたのは繭莉の部屋だった。

 我慢なんか出来なくて、後ろから抱きしめると繭莉のスマホが突然鳴った。
 「あ……もしもし……うん、あのね……っ」
 わざと抱きしめる手に力を入れた。

 「もう、会えない。……好きなひと、出来たの」

 好きなひと。

 ずっと、なりたくてもなれなかった。

 だけど、やっと今、なれた気がする。

 「俺の事、好きなひとって思ってくれるんだ?」
 通話を切った繭莉は、どこか気恥ずかしそうに下を向いた。
 「……うん……」
 「そっか。よっと」
 軽々と抱き上げると、丁度顔を上げた彼女と目が合って、すぐにふいっと逸らされてしまう。
 「もしかして、今更恥ずかしがってる?」
 「……ごめん……」
 「何で、謝るの」
 ベッドの上にそっと小さな身体を下ろして、着ていた上着をばさっと脱ぎ捨てた。
 それを見た繭莉が、恥ずかしそうに自分の上着の襟をぎゅっと掴んだ。

 ホント、借りてきた猫みたいだな。

 少し震える小さな手を取って、上着から離させる。

 「っ、待って……」

 何でか分かんないけど、こんな恥ずかしがられたらどうにかしてやりたくなってしまう。

 上着を腕から抜かせて、そのまま着ている物をするすると脱がせていく。

 いつも自分で脱いじゃうから、繭莉脱がせるの、ちょっと夢だったんだよね。

 ぷつっとブラジャーのホックを外すと、白くて綺麗な肌が眼前に晒される。

 「あの、っ、ホークス……」
 「まだ待てって言うの?無理なんだけど」 
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