【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第14章 The Geometry of
薄いカーテン越しに差し込む朝の光が、じんわりとまぶたを温めた。
仁美 はゆっくりと目を開けた。
喉の奥に残るアルコールの苦味と、頭に鈍い重さ。
枕元に転がった空の缶チューハイが視界に入り、思わず顔をしかめる。
「……飲みすぎた……。」
昨夜の記憶を辿ろうとするが、お酒を飲んだあたりから記憶がふっと断絶している。
言葉の断片と笑い声だけがぼやけて浮かんで、すぐ霧散した。
身体を起こそうとした瞬間──。
自分の肌に触れた空気の冷たさに、仁美 は息を呑む。
(……裸……?)
胸の鼓動が跳ねる。
慌てて肩口まで布団を引き寄せると、布が擦れる音に反応するように、すぐ隣で低い声がした。
「……起きた?」
驚いて振り向くと、そこには研磨がいた。
同じベッドの上、仁美 と同じ布団に半身を潜らせたまま。
研磨は寝癖のついた髪をかきあげ、ぼんやりとした目で 仁美 を見つめている。
「おはよ、仁美。……気分悪くない?」