• テキストサイズ

【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第8章 Unholy Devotion


黒尾の背筋がざわついた。




(……なんだよ、その顔…。)

カップを持っているまどかの指に結婚指輪がキラリと光る。





彼女が“弱さ”を隠して笑う、その癖が視界に焼き付いた。




「はい……大事にしてあげてね。」




そう言ってカップを差し出した腕に見える青黒い痣。




黒尾の胸がざわりと波立つ。




救いたいのか、掴みたいのか。

弱さに惹かれているのか、寂しさに寄り添いたいのか。





——いや、どれでもない。





ただ、離れられなかった。





––––

––––––




その日は、いつもより遅い時間まで練習があった。




黒尾はまた、例のキッチンカーに向かった。

自分でも理由は分かっていた。

喉が渇いただけなら、コンビニで済む。




欲しかったのは——

ジュースじゃなくて、あの人の声だった。





まどかは閉店準備をしていたが、黒尾に気付くと驚いた顔をした。

「え、今日も来たの?すごいね。」

その笑顔の頬に、薄く青い痣が滲んでいた。


/ 299ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp