第13章 キスマーク ※
ある日の夜、呪術師仲間の女子会から帰ってきた鈴がインターホンを連打すると、すぐに自宅のドアが開いた。
「おかえり…」
「めーぐみ♡ただいまぁ」
ドアが開くなり抱きついてきた、やたらテンションが高い鈴は自分の妻だ。新婚である。
伏黒は足取りがおぼつかないのを見て、抱きかかえてソファまで連れて行く。
「飲み過ぎだろ?連絡くれたら迎えに行ったのに」
「大丈夫!!真希しゃんが送ってくれたかりゃ!」
もはや言葉さえも呂律が回っていない。紅潮した頬、とろんとした眠そうな瞳。鈴は泥酔していた。
「風呂は無理か。パジャマに着替える?」
「やーだぁ、恵のえっち」
「どこがだよ。酔っ払い過ぎだろ」
誰だ、こんなになるまで飲ませたのは。鈴はそう強くもないが、別に下戸という訳でもない。こんなに酔った所は初めて見る。
うふふ、と笑いながら寄りかかってくる姿は可愛いが、このままほっとくと寝てしまいそうだ。
「とりあえずマジで着替えて。ベッドに連れて行くから」
パジャマを取りに行こうと立ち上がろうとしたが、それはかなわなかった。鈴が膝の上に乗って来たからである。
伏黒の上に跨った彼女はワンピースをぽいっと床に脱ぎ捨てて、露出度の高い黒のランジェリー姿になった。
「おい、鈴…」
そんなの着ていってたのか、そもそもいつ買ったのかとか色々言いたいことはあるが。
「恵、好き♡」
ちゅっちゅと上から熱い口づけを落とされて舌を絡み取られる。酒の味がして、こっちまで酔いそうだ。
こんなキスされたら、下半身が黙ってないのに。
鈴はにたぁと笑って、部屋着の上から伏黒のアレを触った。