第10章 バスルーム ※
「あれ…?」
服を脱ぎながらシャワーの音が聞こえるのに気づいた。
(恵、お風呂入ってたんだ。…一緒に入ってもいいよね)
多少の恥ずかしさはあるものの、そういう関係になってもう長い。濡れた服を洗濯機に放り込んでお風呂のドアを少し開く。
「恵、一緒に入ってもいい…?」
その声に伏黒は仰天した。まさか自慰していたことに気づかれてはいまい。
「…っ!?鈴?」
「まいっちゃった。急に雨降ってきちゃって…」
すでに髪が濡れている鈴は伏黒の返事を待たずにバスルームに入ってシャワーを浴びる。その体を見て、また自分の奥の方が熱くなるのを感じた。
先に出ようか。でも勃っているのに気づかれるかもしれない。
そんな気も知らずにシャワーを浴びながら鈴は全身を泡で滑らせていく。石鹸がホイップクリームみたいだなんて初めて思った。
彼女の体がクリームをまとったまるで甘美な食べ物に見えてきて、ごくりと生唾を飲み込んで、気がつくと彼女の背後に立っていた。
「背中洗うよ」
「え?ありがと」
小柄な背中に泡を広げながら、脇腹、首と手を伸ばしていく。
「くすぐったいよ」
「そう?」と言いながら、形の良い胸も泡越しに撫でる。
「ちょっと!そこはもう洗ったよ」
ふざけないでと、振り向く鈴の唇を奪った。限界なんだよ、もう。口の中に舌を割り込ませて伏黒の両手が鈴を支えるように頭と背中に回った。
「ん、ふわぁ…?」
そうだ、想像じゃなくて実際にこのとろけた顔が見たかったんだ。可愛い。
「あ、やだ…。めぐみ…」
固くなった自身を割れ目に這わせると、戸惑った顔で見つめられてなけなしの理性が一気に飛んだ。
「やっ…!あ、んっ…♡」
シャワーの音に混じってバスルームの中に響く嬌声がいつもより官能的で、空虚だった心を満たされながら腰を振った。