第5章 ダークホース
そんな状況に迷わず突っかかってきたのは南波くんだった。
「お〜?なんやその話?面白そうやなぁ。いっぺん聞かせてみぃ?」
ドス黒い笑みを浮かべながら、私と村瀬さんから説明を問う。
やばい、絶対キレてる。
「実は、私が移動してきた初日、退勤したあとオフィスに忘れ物とりに戻ろうとしたところ、偶然先輩と男性が会話してるの見ちゃいまして〜。」
「た、確かに先輩社員と話した記憶はあるけど、多分気のせいじゃないかな〜?あはははは。」
「いえいえ!気のせいなんかじゃありませんよ〜。ぎゅうって両手握られながら、好きだよ古村さんって言われてました!」