第5章 ダークホース
「もしかしたら、向こうは先輩からの連絡待ってるかもしれませんよ〜!」
「絶対ない。今頃誰か恋人作ってるか結婚でもしてるよー。」
タイミングが悪かった。ただそれだけ。
もっと違う出会い方をしてたら、ずっと一緒にいたかもしれない。
「そうだ!古村先輩も告白されてましたよね〜?村瀬見ちゃいました!」
「えっ。」
急展開のカミングアウトに場が凍る。
彼女が言っているのは絶対に芹沢先輩の話だ。
「ちょ、ちょっとストップ。なんのことかな?村瀬さん?」
この話を南波くんに聞かれるのはかなりまずい。
ただでさえ悩みの種が増え、頑張って処理しているところだ。
彼に聞かれれば更にややこしくなる。