第3章 優しさに触れ【沖田総悟】
急に飛びついたにもかかわらずしっかりとキャッチし蒼を撫でてくれる。
「蒼って名前にしました。」
「そうかィ、いい名前貰ったな」
「そのこと、沖田さんに伝えたくて……でもなかなか会えなかったので、会えて嬉しいです」
そういうと私の方をじっと見つめる沖田さん。
なんか変なこと言ったのかな……
「真選組の俺に会えて良かったなんて言う奴……あんたくらいでさァ。怖くないんですかィ?」
「へ?だって……沖田さん、猫にも私にも優しかったですよ。たしかに怖い噂は聞いてましたけど……私のこの目で見ちゃいましたから。」
そういうと目を丸くさせ、沖田さんはふい、っとそっぽを向いてしまう。
「っ...…そんなこと言われるのは慣れねぇ」
どこか耳が赤い気がするのは気のせいだろうか。
「あ、あの...…沖田さん?」
「あんたの名前」
「へ?」
「アンタの名前、教えろィ…」
沖田さんに向けられた視線から目が離せない。
「え、えと...…、です……」
「そ、そうかィ……」
なんで名前、聞かれたんだろう……?
疑問に思いながら沖田さんを見つめる。
「コイツのこと……俺も気になっていたんだ、だから……今日会えて良かったでさァ。」
「…あ、そう、だったんですね、良かったです。」