第30章 霞が消える時〜時透無一郎 冨岡義勇【R18】
翌朝…
鳥の鳴き声が聞こえる…。何処だろうここは?僕何してたんだっけ?
そうだ今日も兄さんと山に行かないと…
……「待って兄さん!!」
無一郎は、目を覚ました。夢を見ていた…。思い出した過去の夢を
「まだ頭が痛い…毒針の血鬼術まだ抜けてないな…」
お腹の辺りに重みを感じ、ふと体を少し起こして見るとゆきが座って自分のお腹の上辺りに伏せて眠っていた。
痛む腕を一生懸命伸ばして髪を人差し指で触った。
唇にも触れた時にゆきは、目を覚ました。
「ん…」
「おはようゆき」
ゆきが無一郎の方を見た。無一郎は、ニコッと見たことのない笑顔をゆきに、向けていた。
「む、無一郎くん?」
「過去の記憶が戻ったんだ。」
「えっ?」
「今まできつい物言いをしてごめんね。」
「良かった…昔を思い出せて」
「うん。炭治郎のおかげなんだ。」
「炭治郎くんの?」
「それとやっぱりゆきにまた会いたかったから死なずに帰ってこれたよ」
「無一郎くん…」
「君が今、目の前に居て夢みたいだよ」
あぁ…無一郎くんの優しい言葉が私の胸に刺さる…。
無一郎くんが、私の腕を引いてくる。顔が近づき口づけしたいような素振りを見せてくる…。
私もしたいけど…頭の中に義勇さんの顔が浮かんで唇を合わせられない…。
「ゆき口づけしてよ」
無一郎が動かないゆきに痺れを切らして囁いてくる。
私は…
私は…「ま、まだ病人ですよ。な、治ってから」
くちづけを、しなかった。
お布団を肩までちゃんと掛け直してあげた。残念そうにちょっと悲しそうな目で無一郎はじっと見てくる…。
上手く目を合わせられない自分がいた。
「ゆきなんかあった?僕が居ない間に?」
ドキっと胸が高鳴った…。
「な、何もないです」
「不死川さんの所にずっと居たよね?」
「うん」
無一郎は、少し変だなと思った…。目を合わさない、くちづけは、拒まれた…。
「冨岡さんと何かあった?」
目が泳ぐ…目が潤む…涙を堪えた。
「何もないです」
「なら何故目を逸らすの?僕を避けるの?もしかして嫌いになったの?」
悲しい声で聞いてくる…。以前の無一郎くんと違う