第9章 修練
「…成程、胡蝶から聞いていたように
剣術の才に優れているようだな。」
『あ、ありがとうございます!!』
「しかし、まだ鍛えなければならない所がある!
、目を瞑れ!」
『え…、瞑るんですか…?』
とりあえず言われた通りに目を瞑ったけど…
何をする気なんだろう…?
目を瞑ったまま木刀を正面に構えていると、煉獄さんが地面を蹴る音がして…
驚いた私は、咄嗟に目を開けた。
『うわぁッ…!!』
煉獄さんは目を閉じている私に木刀を振い
攻撃を仕掛けて来ていた…。
「こら!!目を瞑れと言っただろう!!
開けていいとは言っていないぞ!!」
『いや、だって…!』
…開けてなかったら
確実に打たれてて怪我してたんだけど!?
「お前は確かに反射神経がいい。
だが少々目に頼りすぎだ!!」
『っ…』
「鬼は人の命を奪う為に
平気で死角から攻撃してくる事もある!!
視覚に頼り過ぎると痛い目を見るぞ!」
確かに…
人にはどうしても見えない範囲の死角がある…。
下弦の鬼のように
凄まじい力を持っているような強者に
死角から攻撃されたら瞬殺だ…。
「これから俺はの死角を攻める!!
感覚を研ぎ澄ませ、俺の攻撃を避ける稽古だ!!」
『は、はい…!!』
…返事はしたものの
やっぱり目に見えない攻撃は怖い。
さっきみたいに目を閉じて、木刀が飛んでくるのを想像しただけで恐怖を感じ、私は目を瞑る事に躊躇していた。
「…仕方ない。これで視覚を塞ごう!!」
…煉獄さんが懐から取り出しのは手拭い。
確実にそれで私の視覚を奪うつもりだろう…。
「その奇妙な眼鏡はそこの縁側に置いてこい!!」
『うぅ……は、はい…』
…流石に柱の命令を拒否する事は出来なくて
私はお気に入りの眼鏡を外し、大人しく縁側に置かせてもらった。