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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第8章 上官




鋼「……素晴らしい。」

『はい…?』


鋼「こんなに綺麗な色は初めて拝めた…!
長い間刀鍛冶をやっているが
透明色なんてのは聞いたことがねぇ…!!
素晴らしい…、こりゃあいいモン見せて貰った!!」





…どうやら、機嫌は良くなったみたい。




私が手に持っている刀を
色んな角度からうっとりした様子で見ている鋼鐵塚さんは、何度も褒め言葉を発していた。






鋼「やはり日輪刀には
まだまだ未知の可能性が秘められているようだ…。
うん…実に興味深い…。」



『…あの、そろそろしまってもいいですか?』


鋼「透明の刀身はこの鍔や柄の色とも合う…
美しさを際立てているな…」


『あの〜……、は、鋼鐵塚さん?』


鋼「実に素晴らしい…。
透明色なのに刃文はしっかりと分かる…」




…だめだ、完全に自分の世界に入っちゃってる。

私の声なんて全然聞こえてないわ。





『し、しのぶちゃ〜ん…』


し「今日の鋼鐵塚さんはとても機嫌が良いようですね。人の話を聞かないのはいつもの事なので
気にしなくていいですよ?」




…人の話を聞かないって
それは同じ人間としてどうなの。



どうやら鋼鐵塚さんは
一つのことに夢中になると、他の事は眼中に入らないみたい…。





し「この方は隊士さんから嫌われることが多いんですけど…、さんはどうでしょうか?」


『うーん…』




…まぁ、少し変わった人だとは思うけど
根は悪い人じゃない気がする。



だって、こんなにも刀に情熱的で
刀を打つことに誇りを持っているみたいだから…


好きな事に夢中になれるのは悪い事じゃない、
むしろ羨ましく思える。




『私は、鋼鐵塚さんとなら
上手くやっていけそうな気がするよ?』


し「ふふっ、さんなら
きっとそう言うと思いました。」


鋼「…おい、胡蝶。こいつ少し変わった奴だぞ。」





…その台詞、あなただけには言われたくありません。





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