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死神の華【鬼滅の刃】

第1章 死神と鬼狩り


風呂から上がり、部屋に戻ると杏寿郎が部屋に備え付けられていた文机に向かってなにやら手紙を書いていた。

「報告書か?」柊が後ろから問うと
「まぁそんな所だ。君の事はあまり公にしない方がいい。だがお館様だけには伝えておこうと思ってな。勝手にすまない。それはリーンの分の夜食だ。先に食べてくれ。」
「構わない。上に報告するのは義務だからな。」
そう言って皿に乗った握り飯を手に取って食べる。
山盛りに乗った握り飯を見て、
(これが夜食、、?杏寿郎がよく食べるのか?この世界の人はみんなこんなに食べるか?)
そう疑問に思う柊だった。



手紙を書き終えた杏寿郎も夜食に手をつけた。
「そういえば君は稀血のようだな。鬼に狙われやすい。しばらくは俺と共に行動してもらうことになるが構わないか?」
さらっとした口調で明日の予定は?の雰囲気で話す杏寿郎に対して、
「マレチ?なんだ?そういえば鬼が飛び出しながらそんな事を言っていたな。どう言う意味だ?」
「稀血とはそのままの意味だ。稀な血。鬼にとっては10人以上、稀血の種類によっては100人喰うと同等な力をつける。鬼は人を喰った人数と強さが比例するんだ。しかも人間には稀血かどうかなんてわからない。鬼の嗅覚で初めて知ることになる。」

言ってなかったか?と詫びれる様子もなく握り飯を食べながら話す杏寿郎に
「杏寿郎、、君、本当にイイ性格してるな。割と重要な話だぞ。それは。」

はっはっはー!口元を頬張りながら笑う杏寿郎に苦笑いを隠しきれない柊だった。

夜食を食べ終わった後、杏寿郎は手早く布団をひくと
「今日は疲れただろう。俺も風呂に入ってくる。柊は先に寝るといい!」
そう言って部屋を後にした。

確かに疲れた。今日は色々あった。だが、杏寿郎の優しさや心の芯の強さに助けられたのも事実だ。
布団の上に座ってみたが寝れる気もせず、部屋の前を出たところにある縁側に腰掛ける。
ふと空を見上げると十三夜の月が見える。
「もうすぐ満月か、、。」
不思議なことに異なる世界でも見える空の景色は同じなんだなぁ。と感傷に浸る。
同じ月、手を伸ばせば届くかもしれない。今日の出来事が全て夢で、元に戻るのかもしれない。
柊は月に手を伸ばす。もっと近づいたら。そう腰をあげようとすると、後方から腕をパシッと掴まれた。
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