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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第15章 誘われた夜


そしてそこから翌日とその次はオフとなる。雅の体調もしっかりと元に戻った。ホテルのカフェテラスでのんびりと資料の整理をしていた時だ。

♪…♪~

メールが届くスマホに目を向ければ一気に顔がにやけていた。

『今日の夜、時間ある?』

そう加賀からの誘いだった。

「…もぉ…」

雅は少しだけ戸惑ったものの通話ボタンを押した。

『よ、』
「もしもし?」
『…体調、大丈夫か?』
「もうすっかり、」
『昨日は悪かったな…会いに行けなくて…』
「ううん…解ってたから…」
『どうかした?』
「何が?」
『会いたいって言ってたから…』
「ううん…なんでもなくて…あ、今って電話大丈夫だった?」
『あぁ、部屋だし』
「…・・ッッ…そか…」
『来るか?』
「…でも…」
『別に大丈夫だけど…?』
「…行く…」

そうして一旦通話は切れ、雅は急いでパソコンを閉じた。

『1042』

それだけがメッセージで届く。

「…これって…」

その場所を目指していく雅。ドキドキしながらノックすれば中から時期に扉が開けられた。

「…よ」
「入っても、いい?」
「あぁ」

そうして中に入り扉を閉めたタイミングでトン…っと扉に追い込まれる雅。

「…か、がさん?」
「ん…」
「あの、ッッ…近い…です」
「そ?」
「そうって…ッッ」
「クスクス…」

いたずらっ子の様に小さく笑えば加賀はゆっくりと離れていく。

「…もぉ…」

近くのサイドテーブルにパソコンを置けば加賀はふと声をかけた。

「機密情報の塊だろ、それ」
「まぁ、」
「いいのか?」
「のぞき見ないでしょ?」
「そりゃな?」
「だと思った…」

そう軽口を吐けば窓際に置いてあった灰皿から吸いかけの煙草を取り、咥える。

「…加賀さん…」

小さく呟けば雅はそっと肩にもたれた。
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