第14章 告白
その頃、スゴウチームはミーティングに入ろうかとしていた。
「…雅ちゃん、大丈夫?」
「すみません…ご迷惑おかけして…」
「それよりも熱は?」
「落ち着きました」
「そう、ならいいんだけど…」
しかしピットクルーの一部からの視線はどことなく感じていた。それも仕方ない。
「…すみません…大事な時に…」
「何が?」
「空気、悪いですよね…」
「そんな事はないわよ。」
「でも…」
そう切り出した雅の言葉を遮る様にあすかは話し出した。
「…別に問題はないわよ。こそこそいうくらいなら直接聞けばいいじゃない、そうでしょう?」
その一言でピットクルーの視線はそそくさと思い当たる節があると言わんばかりに散っていく。
「…あすかちゃん…」
「だってそうじゃない!」
「あすか、始めてもいいか?」
そういう修の言葉にあすかも小さくなって椅子に座る。
「…さて、色々とあるが、まずはお疲れ様。予選の結果だが、ハヤトが2番手、アンリが6番手だな」
「すみません…」
「いや、順当だ。タイムだが、ポールのAOIZIPの加賀とハヤトの差は2.5秒といったところだ。」
こうしてスゴウ側のミーティングも始まっていく。一時間半となったフィードバック含めたミーティングも終えた。
「…では以上だが、質問は?」
そう問いかける修の問いに誰も意義もなく終わりとなる所に、雅が、申し訳なさそうに手を挙げた。
「…どうかしたか?真坂」
「あの、この二日間、体調不良でご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。」
「その事か…」
「今後十分気を付けていきます。すみません」
「あの…」
そのことで…と一人手が上がる。