第11章 アイ・コンタクト
こうして部屋に戻った雅。思い立ったかのようにスマホを取り出した。
「…一応…言わないと…」
そうしてメッセージを打ち始める。
『お疲れさまです、明日、お時間いただけますでしょうか?お話したいことがあります』
そうして送信を押す。それから着信という形で帰ってくるまでに時間はかからなかった。
「もしもし、真坂です」
『お疲れ、どうかした?』
「いえ、直接会って…お話ししないといけないことが…ありまして…」
『今からでも構わないが?』
「…わかりました。」
『1階にあるカフェラウンジ…そこでもいいか?』
「はい、大丈夫です。すぐ向かいます…」
そう返事をして通話を切る。その相手は修だった。
「…すっごい緊張しかない…」
一足先にラウンジに着いた雅はソファに腰かけて待っている。反対されるかもしれない、別れろと言われるかもしれない…それでも伝えないといけないことだった。
「悪いな、待たせたか」
「いえ、大丈夫です。」
後ろいから声をかけられて雅は不意に立ち上がる。そのまま座ろうか、と促されて雅は修と一緒に向かい合わせで座ることにした。
「…それで?話というのは?」
「…実は…その…」
「ん、」
「彼が…出来まして…」
「そうか、……で、相手は?」
「…その…AOIZIPの…」
「・・加賀、か」
「はい」
「そうか」
「え…?」
不意打ちを食らうかのような返事に雅は修を見つめ返す。
「なんだ?」
「えと、その、反対とか…されるかと思って…」
「反対するくらいならこの間だって行くなと止めるが?」
「…そう、ですよね…」
「それで先方は?」
「…あ、それは解らなくて…伝えるとも秘密にするとも…」
「そうか。…先の事はどうしようと思っている?」
「先、ですか?」
「あぁ。」