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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第7章 狂いだす居場所


ひとしきり話を聞いて部屋を後にしようとした時だ。

「真坂…」
「はい?」
「……これはオーナーとか、監督とかは関係なく聞きたいんだが」
「はい…なんでしょうか?」
「これから先、もし加賀とうまく事が進んだ時…菅生を離れるのか?」

思ってもいない内容だった。それを聞いて雅は小さく笑うと修に向かって話し出した。

「…それはないです。…私、フラれちゃいましたから」

そう答えるのが精いっぱいだった。この言葉を言うだけでまた涙がこぼれそうになる。全然心の整理なんか追い付いていない。そんな面持ちで、さっきの場所で加賀に会ったというのをどういう気持ちで話したのだろうか…部屋をゆっくりと出ていく雅の背中を修は見送るほかなかった。

雅が部屋から出て少しした時。クレアからの着信が修に入る。

「どうだった?」
『雅ちゃんの言う通り、手が加えられていた。ガーランドのサスペンションが右に曲がっていたわ。あとはエンジンオイルのねじが緩んでいた。』
「…そうか」
『それで、他の事はちゃんと話してもらえたのかしら?』
「あぁ。」
『そう、今ペイ君が直してくれている。もうじき終わるけれど明日、アンリには話をするわね」
「俺から話す。クレア、ガーランドは任せた」
『解っているわ。任せて頂戴?』
「それと、…」

そうして雅から聞いた目撃者の話をし、翌日にはAOIに確認を取るという旨も報告した修。そのまま通話は切れ、アンリの元に向かっていくのだった。
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