第2章 思い出す記憶
「速い者にだけ許されているって事ですか?」
「そうとは言っていないわ?遅かろうと速かろうと…その約束に振り回されない強さがあるものにだけ許されているってことかしら?」
ふふっと笑いながらもクレアは修に言伝を伝える。
「…今日子さんが先ほどこちらに向かうと連絡がありました。」
「分かった…」
そう、AOIへの引き渡しだ。
「…あの…少しだけ…時間もらってもいいですか?」
「クス…」
手のしぐさでどうぞと促すクレア。『すぐに戻ります』と伝えて雅はその場を一旦離れていく。
「…いた…」
走り向かった場所はミキのいる場所だった。
「みきさん!」
「あれ、雅…」
「あの…今…こっちにって…」
「あぁ、新条と一緒にってやってくるって…」
「あの…本当にありがとうございます…今まで…」
「ずっと会えなくなる訳じゃないんだから…また一緒に食事でもしようよ!ね?」
「ん…」
そうしてチームメイトとしての最後の別れを済ませる雅。その場に修やクレア、アンリがやってくる。
「…親父さんも時期に来るだろう」
「はい、そういってました…」
「ミキさん、本当に今までアスラーダの事、ありがとう」
「クレアさん…」
気付けばわらわらと集まっているスゴウウィナーズのメンバーたち。
「あ、雅ちゃんも来てたんだ!」
「はい、あ、でも…そろそろ」
「いいじゃん、最後に見送ろう?」
ペイに言われ、あすかに同意され、嬉しそうに雅はその場にいた。
「…ミキさん、今まで俺とアスラーダの事、本当にありがとうございます。」
「ハヤト、あんたのことは私は知らないさ。それこそそこはあすかだろ?」
「そうよ!ハヤトったら、」
「でも…いつも俺のわがままで…」
「それは確かに」
その一言で笑いが起こる。