第4章 安土城城下
佐助くんと別れ、おすすめだというお茶屋さんに連れて行ってもらった。
注文を済ませて直ぐ、武士が二人がこちらに来た。
「姫様!ご無事で何よりです。お役に立てず、申し訳ございません」
「あら、宗十郎。遅いわよ。こちらの方が助けてくれたのよ。美桜、この人達は、私の家来で、宗十郎と桜丞よ」
「姫様を助けていただき、ありがとうございます」
「(真面目で優しそうな家来達ね‥)」
「いえ、身体が勝手に動いただけです」
お千さんがパン!と手を軽く叩いた。
「宗十郎、桜丞。私達これから女同士の会話をするから、席を外してちょうだい」
「「御意」」
宗十郎さんと桜丞さんは主の命に従い、どこかへ行ってしまった。
「さて。改めて、さっきは本当にありがとう。私のことは気軽に『千』って呼んで!敬語もなし!私もあなたのこと『美桜』っと呼んでも良いかしら?」
「良いよ。でも、一つ疑問なんだけど、姫様って事は、どこかのお武家様の‥?」
「いいえ、京の公家よ」
‥‥‥え?
「く、公家?!なぜここに、?!」
「お忍びで遊びに来たってところよ。屋敷に居ても、退屈だからね」
パチンとウィンクをした姿は、お姫様らしくない。でも返って親しみやすい感じの姫だ。
「ますます呼び捨てで呼びづらい、、お千ちゃんでも良い‥?」
「だーめ!慣れて?」
圧をかけられたなら、慣れるしかない‥
そんなやり取りをしながら、注文したお茶菓子を食べた。
「‥‥それでね、豪っていう妹がいるの。そうだ!京に来る機会があったらら、私のとこへ来てね。町を案内するわ。琴葉にも会ってみたいし」
「私も、琴葉を千に会わせたい。妹の豪さんにも会いたい」
「決まりね!早くそんな日が来ないかしら。
‥じゃあ、私はここで失礼するわ。あんまり遅いとまた探しに来ちゃう」
「うん。お茶、ご馳走様です。楽しかったよ」
「ええ、私も楽しかったわ。また、会いましょ」
名残惜しいが私達は解散し、帰路へ着いた。
千との楽しみ一時を思い出しながら歩いているうちに安土城へ着いた。
「(思ったより遅くなった‥琴葉の熱、下がったかな‥‥ん?あれは、秀吉さん?!)」
門を見ると秀吉さんが仁王立ちで待っていた。なんか、頭から角が生えているのは、気のせいか、?