第4章 赫き炎刀
そう言って実弥は部屋を出ると、仁美達の後を着いて行った。
「お邪魔ムシですよー。」
しのぶの投げた言葉に実弥は嫌な顔をする。
(邪魔ってなんだ。こっちは任務なんだよ。)
さっさと仁美を送り返してこの任務を終えたい。
実弥は急にそんな気持ちが強くなった。
「仁美が定期的に蝶屋敷に来るんだったら、俺もその日に合わせて怪我すればいいのか。」
義勇の部屋の外で聞こえてきた声に実弥は目を丸くした。
聞き間違えか?いや…どう聞いてもアイツの声だ。
部屋の中を覗くとベットに座っている義勇が、側に居る仁美の手を握って真剣な眼差しで言っていた。
再び実弥の背中に悪寒が走った。
(人格変わってねぇか?)
マジマジと義勇の顔を見るが、彼は至って真面目に仁美に言っている。
恐ろしい光景に実弥は感情の整理が難しい。
「…そんな事より普通に藤屋敷に来てくれた方が嬉しいです。」
……うわぁ…。社交辞令言われてる…。
義勇に少し同情した。