第5章 傲岸不遜の鬼
「ゔゔ…。」
頬を強く握られて仁美は涙で濡れた顔を歪ませた。
「……お前、私に喰われたいのか?」
無惨はそう言って仁美の唇を再び喰らった。
もう絡んでくる舌に応える力は無かった。
仁美はただ貪られる感触に身を任せるしか出来なかった。
「っはっー…ああっ…旦那様っ!!」
仁美の声色が変わったのは、開かれた足の間に無惨のモノが押し付けられたからだ。
ググッと押し付けられてねじ込まれるモノに、仁美は体を強張らせながら彼の背中に手を回した。
体の中で、肉が馳せる音が聞こえた。
その痛みは純潔を奪われて破瓜された痛みだと分かっても、縋る様に彼の背中の服を掴んだ。
仁美を腕の中に押し込み、自分の体を捩じ込んでいった。
仁美の中で破瓜の感触の後に彼女の血の匂いが部屋に充満した。
無惨は自分の体が異常に熱くなるのを感じた。
体験した事の無い快楽が全身を襲うと、仁美の奥深くでその動きを一度止めた。
体中の血が逆流している感覚に、無惨は自分の体が変貌すると悟った。