第4章 おでかけ
「確かに買い物に関してはパワーがありますね。楽しいからもあると思いますよ。」
「俺なんて服とかは分からないから、だいたいは店や従者に任せるんだ。」
「男性は多いですよね。伴侶がいる方は女性が決めますもんね。そこは人間と魔族同じなのですね?」
「それはそうかもな……」
一緒に並んで歩くギルヴァを軽く見上げて意を決して口を開くマキア
「あの!ガイベルド卿」
「ん?なんだ?」
「…………ガイベルド卿には彼女さんや……奥さまはいらっしゃるんですか?」
そう聞いてきたマキアに二度見をしたギルヴァは、軽く咳払いをして
「俺は、ガイベルド公爵家の長男なんだ。……ずっと独り身だよ。彼女も長らくいないな。」
「え?独身なのですか?」
「見えないか?」
「てっきり、正妻含めて側室の方もいるかと……」
そう言いながら、失礼なことを言ってすみません!と謝るマキア
ギルヴァは笑いながら首を横に振り
「大丈夫さ……今は彼女もいないし、結婚もしたことないんだ。」
軽く溜息をつくギルヴァ
「姉貴がいるんだが、5年前に嫁いでな……それからずーっと親父から結婚の話ばかりしてきてな。俺は、婚約者つーのは居ないし。言ってきても全部無視だ。見合いなんてもっと嫌で、わざと遠征の仕事入れたりして逃げてるんだよ。」
苦笑するギルヴァ
「しまいには、叔父である皇帝まで言い出す始末だ……ったく、成人したてのヒヨっ子じゃねぇのに親が決めるとかないだろ。」
頭をかきながら話すギルヴァにそうなのですね。と言うマキア
「ミへーラフィ令嬢は?」
「え??」
「彼氏?……それか婚約者?とかいるのか?」
そう聞いてきたギルヴァに苦笑するマキアは首を横に振るう