第1章 はじまり
「来月に外交会あることは知っているな?」
「はい。様々な国の賓客がヒューニンザ帝国に来国されるとは聞きましたが、その程度で…」
「その程度で良い。その中で重要な国の1つである魔国は分かるな?」
「はい。デビアン帝国ですよね」
「そこからも来る予定だ」
「……珍しいですね。人間やエルフやドワーフの国だけかと思いました。」
「軍事演習にて我が国の力を見たいんだろう。小賢しい奴らのことだ。」
外交会は、3週間の予定だ。
各国との世界についての会議だけでなく
社交の場となるパーティは毎夜ある
そして、2週目からは軍事演習にて、各国の軍や武器や魔法の披露となる。
その軍事演習にデビアン帝国も興味を示したのだろう。
対抗出来る我が国がどのようか見たいのと
デビアン帝国の実力を見せつける為に……
「なるほど……」
「我が国の1つしかない皇族の親戚の公爵は、皇族と一緒に各国の王族や皇族を相手する。そして各侯爵率いる一派は各国の他を見ることになった」
「それは大きな仕事ですわね。お養父様」
「我がミへーラフィ家がデビアン帝国になったんだ!」
と言いながら机を叩く養父に少し浮かんだティーカップをキャッチして何事もなく紅茶を飲むマキア
「不服ですか?」
「当たり前だろ!!あんな野蛮な奴らの皇族に仕える者らだとしてもだ!!」
少し考えながら
「軍関係のジザンバ侯爵家一派はドワーフのテイツチ大国」
いきなり言い出したマキアに驚く養父のズイキ
「キリッダ侯爵家一派は信仰関係で人類同盟のGNRI」
ティーカップを置いて、指を2本立てて考えるマキア
「てっきり…我が家はエルフのレイミセイ大国かと思いましたが…」
「テンイップ侯爵家一派が世界大図書館のことを出して、レイミセイ大国に選ばれるようにしたのだ。」
悔しそうにする養父のズイキに、なるほど…と思うマキア
「まぁ、魔国の魔法について色々知れる機会かと……お兄様方も魔国からの輸入品や知識に興味を示すかと思いますよ。」
そう言うマキアに舌打ちする養父のズイキは、灰を灰皿に落としながらまた葉巻を吸う