第1章 はじまり
「なら、レンヒとビィナは参加する我が国の代表のメンバー入りだなぁ?」
そう言いながら面白そうに笑うアラバサ皇帝
「皇帝陛下!?正気ですか?」
「ツワン……正気に決まっておろう。魔族が人間みたいに自衛しながら対策するような弱気なわけなかろうよ?」
「ですが……」
「他にエルフやドワーフも出るそうだ。」
その言葉にまた驚く一同
「その技術も盗めたら、更に良きだろうよ?のぅ?ツワン」
「……っ……参加は賛成としましょうが、皇帝陛下は行ってはなりませぬぞ?」
「なんで?」
「なんで?じゃありません!!貴方は黒き太陽でデビアン帝国の皇帝陛下でございます!!わざわざ出向く程のヒューニンザ帝国は安全ではございません!!」
「では、他に誰が行く??我が国のそれも内側をよく知り、向こうも納得する者は誰だ??……レンヒとビィナだけでは馬鹿にされるぞ??」
そう言いながら首を傾げながらまだ面白そうに笑うアラバサ皇帝に、ツワンは、「それは……」と言いながら大臣たちの方に目を向けるも……
イフエン卿は、フンと言いながら首を横に振り
リヴァイアス卿は、何度も横に首を振り手まで横に振る始末
ラームウア卿は、寝てるのか起きてるのか分からない目を閉じ微動だにしない
ダガルダ卿は、目を合わせないように顔を逸らしている
それぞれの大臣は行く気がないようだ。
そんな中
「私が行きますよ。」
そう手を挙げたのは……
ガエテ皇太子だった
その行動に驚くツワンは
「こ、皇太子殿下がですか??」
「うん。会議の参加もパーティーもだけど、皇族レベルいないとデビアン帝国が下に見られるかもしれないでしょ??私なら父上の息子の1人だし、他国がどうこういう事はないんじゃない??」
「そ……それはそうですが……」
と言いながら、恐る恐るとアラバサ皇帝の方を見るツワンにアラバサ皇帝はクククッと笑いながら
「いいのか??ガエテ」