第6章 しょうじょ
「じゃあ、頼んだ。」
そうミルアにお願いをして、両手を握り直して目を閉じてるマキアを見るギルヴァ
「ごめんな。マキア。直ぐに楽にしてやる。」
そう呟き、両手を握ったまま目を閉じてそのまま集中し始めた。
魔力を何の属性にも変換させず
透明なまま、反発しないように
元々のマキアの魔力と同じ透明度にさせながら
異物と判断されないように
焦らず
ゆっくりゆっくりと……
「ハッ!」
ふと気が付くと真っ暗な空間に真っ黒のスーツ姿のギルヴァがいた。
さっきまでいたホテルの部屋でなく、
ベッドも無く、マキアもミルアも居ない
真っ暗な空間
「ここは………………精神の世界か??」
恐らく魔力の治まりに集中して、意識がマキアに合わせようとしたらこうなったのだろう……
「無理に出ようとしたらマキアがどうなるかな……どうすっか……」
考えながら暗い空間を宛もなく歩いていると
前の方から泣き声が聞こえてくる
「ゲッ?……ガキか?……参ったな。」
子供に、とことん嫌われているギルヴァなので子供は苦手意識がある
渋々も近寄ると……
桃色のワンピースを着た少女が立ちながら泣いていて、
ミルアにそっくりな猫のぬいぐるみを両手で抱いていて少女の肩越しに見える
「あー……お嬢さん??大丈夫か?迷子か?」
そう声をかけられて少女は肩を揺らして、
ギルヴァの方を振り向くと、
その少女はマキアを小さくしたそのままだった。
「お……おにいさん……だぁれ??」
マキア見た目の少女が聞いてきて、
驚いてたギルヴァは軽く咳払いをして
「えっと……魔族って分かるか??」
「分かるわ。……グスッ……お父さまに本を読みながら教えてもらったもん……グスッ」
泣きながら話すマキア似の少女の傍に行き
怖がられないように片膝をつくギルヴァ
「俺は魔族なんだ。魔族のちょっと偉い人」
「ちょっと??……」
そう聞き返しながら首を傾げるも涙はポロポロ流れる少女