第16章 小芭内との日常(にちじょう)
蜜璃「え?恵土ちゃん?
どうしてそんな所から?」
恵土「あ!しー!!
しのぶ「気絶させて!!」
恵土「げっ
蜜璃「えいっ!!」条件反射で鳩尾へ一撃
恵土「流し…切れない」
がくうっ
どしゃあ!
蜜璃「え?どうしたの!!?
しのぶ「また抜け出したのよ!!」
血相を変えて走るしのぶに
蜜璃は何事かと心配するも
怒涛の如く叫んだ
条件反射で動いた理由…
弟子達の中で一番力が弱いしのぶに最後の修練の最終段階の確認試験を任せ、力加減の制御を確認させた(その為に色々と指導を山程受けていた)から
蝶屋敷の近くに寄った為、お見舞いに来ていた折でのことでした
6月20日でのことです
筋断裂と肺挫傷は半分回復
骨折もヒビ程度までには回復
それ以外は全回復
と回復が常人より早いとのことで
お母さんから言われていた、『2人分だから』という言葉を使っていた
2番目のそれも恐らく入っていると思われる
ちなみに言うと…
しのぶは風月流真月流師範代である
師範は恵土
後遺症(筋断裂による障害、力が入らない)もある程度治まったことから
時折修練をしようとするそれに、必死に止めるばかりであったそうな…
※風月流及び真月流は技法であって、膂力を上げる術では無い
耐久力は伸びるが、一塊の動きとして放つ部位と剣術や体術等で使用する(必要となる)部位のみの筋肉は付くが、膂力が常人以上という訳では無いので悪しからず
全身の力を一点のみに集中させるが故の爆発的な力、速度、動きの鋭さ(貫通性、鋭敏さ)なのであって
それを鈍らせない為に、身体を壊さない為に、各自の身体の適性に合わせて、バランスや相互性や偏りを考え、配分しなければならない
一朝一夕とはいかないのがみそである
そして…
6月25日
皆さん、ある日のことを覚えているだろうか?
余計なこと(お前等いつ結婚するんだ?)を言うなと
蛇に睨まれた蛙となっていたこと
蜜璃が惹かれるきっかけとなったやり取り
気にしなくていい、別に急く話でも無い、一緒に受けよう、という伊黒の言葉
撮影蓄音機のそれらの尊い声とやり取り、数々(無数)の映像と声が記録された映写機を見た瞬間、
全て排除すると叫んでいたそれが…
129,130ページ参照
しかし……
一番食い入るように見ていたのは伊黒小芭内である
特に蜜璃とのやり取り
