【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第3章 「咲きて散る、時の花 前編」
「は?……誰、お前」
眩しいほどの陽射しに目を細めて、ゆっくりと顔を上げる。
そこには、一人の男の人が立っていて。
白髪に丸型の黒いサングラス。
細く締まった体に馴染んだ黒の高専の制服。
軽くポケットに手を突っ込んだまま、斜に構えるその仕草。
(……でも、そんなはず――)
私が知っている人は、あんな丸いサングラスはしていない。
いつも黒い目隠しで、ふざけた調子で、でも――
誰よりも強くて、誰よりも優しいあの人。
男が一歩、こちらへ歩を進めた。
私の視界の中で彼のサングラスの奥――蒼い、目が覗いた。
あの、蒼。
あまりにもよく知っている色で、息が止まった。
(……そんな、まさか……夢?)
だけど、この目を見て否定できなかった。
「おい、聞こえてんの?お前、どっから湧いて出た?」
彼の眼差しに射抜かれた瞬間、私ははっきりと悟った。
目の前にいるのは――
「……五条……先生……?」
その言葉に、彼の眉がぴくりと動いた。
「は? なんで俺の名前知って――ってか、はあ?“先生”?」
目の前の彼は、私が知ってるあの人より、ずっと若くて、ずっと――
うるさかった。
でも、その声も、仕草も――間違いなく、先生だった。
どうして、こんなことになったんだっけ。
あれは、確か……数時間前のこと。