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【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──

第7章 「背伸びの先にある恋**」


***


数日後。
硝子さんの手伝いをするつもりで医務室に来たのに、結局ふらふらとパイプ椅子に腰掛けることになった。
いまだに腰から下が重だるくて、思うように動けない。


すると、硝子さんが、温かいお茶の入ったマグカップを渡してくれた。
それを受け取ると、硝子さんはニヤリと口角を上げる。



「で。どうだった? 私のアドバイスは役立ったか?」



その言葉で、あの夜のことが一気に蘇る。


(〜〜〜っ!)


顔が一気に熱くなって、私はマグカップの中のお茶を見つめながら、ぼそっと返事をした。



「……ひどい目に、遭いました」

「ははっ。だろうな。あの馬鹿、手加減とか知らなそうだもん」



硝子さんは楽しそうに笑って、自分のデスクに寄りかかった。



「昨日さ、五条のやつからいきなり馬鹿高い酒が送られてきて。何かと思えば『ありがと』ってメッセージカード付き」



お酒、本当に送ったんだっ!
それだけ、あのセリフにドキドキしたってこと!?



「あいつ、何回戦やったんだ?」

「か、数えてないですよ。途中から、もう、何もわからなくなって……っ」



涙目で答えると、硝子さんはついに堪えきれなくなったようにお腹を抱えて笑い出した。


(もう、絶対にあれは言わない……っ)


あの言葉の破壊力は、身をもって嫌というほど味わわされた。


あの後、他にもいろいろ恥ずかしいことを何度も言わされるわ、させられるわで。
もう一生分の羞恥心と快感を味わった気がする。



「ま、お前のその顔見る限り、『マグロ』の悩みは無事に解決したみたいだな」



硝子さんの言葉に、私はこくんと頷くことしかできなかった。


(解決したどころじゃないけど……)


いまだに腰は痛いし、身体中あちこちに先生がつけた痕が残っている。


でも。
「飽きられるかも」という不安は、あの一夜で跡形もなく吹き飛ばされていた。


大人の女性には程遠いかもしれないけれど。
これからはもう、変に背伸びするのはやめよう。



『と一緒にいるだけで、押し倒さないようにするの必死なんだけど』



呆れるくらい私を求めてくれる恋人を思い浮かべて。
私はマグカップに口をつけて、こっそりと頬を緩ませた。



──「背伸びの先にある恋」 了。
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