【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第6章 「しのぶ恋なれ、夏の宵**」
「……そうですね。どうせ子供ですよ」
涙が滲みそうになるのを必死でこらえて、私は先生から目を逸らした。
「もういいです。離してください。……“お兄ちゃん”」
精一杯の皮肉を込めて、そう呼んだ。
「――へぇ」
頬をなぞっていた指が、ぴたりと止まる。
押さえられていた手首に、わずかに力が込められた。
先生の体重がほんの少し移動して、畳がきしりと鳴る。
「“お兄ちゃん”……ね」
言い終わるより先に、先生の顔が近づき――
「え……ん、――っ!?」
唇が塞がれた。
優しいキスじゃない。
甘いだけじゃない。
舌が強引に入り込んできて、口の中をかき回される。
息を吸う間も与えられなくて、喉が小さく鳴った。
「んっ……ぁ……っ」
逃げようとしても、顎を掴まれて許されない。
唇の端から唾液が溢れて、顎を伝って首元に落ちていく。
先生の体温が熱くて、頭がくらくらしてきた。
肩から胸にかけて、先生の重みで畳に沈む。
(……くるしい、のに……)
なのに――
体の奥が、勝手に甘く痺れていく。
ようやく唇が離れたとき、私はただ、熱を帯びた息を吐くことしかできなかった。
「……じゃあ、確かめてみよっか」
何を、なんて。
考える余裕なんてなかった。
先生の指が、帯の結び目に触れる。
ほどける音が、やけに大きく響いた。
「ま、待っ……だめ……っ」
「だめ? なんで?」
問いかける声は穏やかなのに、返事を待つ気配はない。
襟を左右に開かれて、肌が露わになる。
先生の視線が落ちるだけで、体が勝手に反応してしまう。