【呪術廻戦/五条悟R18】── 花冠の傍らで ──
第4章 「咲きて散る、時の花 後編**」
「せ、んせ――」
呼びかけたその唇は、最後まで言葉にならなかった。
声の代わりに、先生の唇が深く重なってきたから。
「……っ、ん……ぅ……っ」
今度のキスは、さっきよりもずっと優しかった。
でもその優しさが、逆に怖いほどで。
「おい。、俺の存在忘れてない?」
視線を前に戻すと、五条さんがまっすぐ私を見ていた。
睨むように、でもどこか焦ったように。
「俺のキス、まだ途中だったんだけど」
そう言ったかと思うと、
私の顎を指で持ち上げ、唇が落ちてきた。
「――ん、っ……!」
強引に舌を絡めながら、舌の先端を甘く噛まれる。
「んぅ……ふ……っ、や、ぁ……」
唇を奪われたまま、五条さんの指が脇腹をくすぐるように滑る。
そのままシャツの裾に触れたとき、びくりと身体が跳ねた。
「……、どっちのキスが好き?」
私の唇の端を舌でなぞりながら、五条さんが言う。
「……わ、わかんない……っ」
私は二人の圧に、思わず顔を背ける。
なのに、先生の指で阻止される。
「じゃあ、ゆっくり……わからせてあげる」
低く掠れた先生の声が耳の奥を甘く撫でるや否や、
五条さんの指先がそっと鎖骨をなぞる。
「んっ……や、ぁ……」
声が漏れるたびに、どちらかが深く口づけを重ねてくる。
「わかるまで、逃がさねぇよ……今日は」
そして、前からも後ろからも、甘く、容赦なく、私を追いつめてくる二つの影。
(だめなのに……こんなの……)
罪悪感と戸惑いが、呼吸のたびに胸をきつく締めつける。
だが、思考はもう快楽と混乱の境界でとけていた。
ふたりの五条悟。
どちらの熱も、どちらの声も、わたしを甘く溶かしていく。
そのどちらにも、私はもう――逆らえなかった。