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それは瞬く星のように【ヒロアカ】

第5章 それは瞬く星のように



医師の言葉を静かに聞いていたホークスの心はあまり波立たなかった。
白失から外の現状を聞いた時の方が驚いたくらいだ。

自分の身体のことは自分が一番よく知っている。
荼毘に背中を焼かれた時に飛べなくなる可能性は頭をよぎったし、それでも分倍河原を止めることを優先したのは己自身。

エンデヴァーの言葉を借りるのなら、この怪我は自分の責任だ。



「他の患者さんの治療もあるので、私はこれで……」

医師が病室を出た直後、白失に視線を移したホークスは瞠目する。


彼女はポロポロと涙を流していた。


初めて見る彼女の泣き顔。
診断を聞いた時よりも余程慌てて音声端末に文字を打ち込む。

『白失さんっ、泣かないで』

「……なんで」

嗚咽混じりの細い声。

「やっと、戻れるんです。やっとヒーローに戻れるのに、なんでホークスがこんな仕打ちを受けないといけないんですか……っ」


……まったく、この人は、

俺のために怒ってくれるし、悲しんでくれる。


今回の作戦での失敗を咎められてもおかしくないのに、どこまでも俺を案じてくれるんだから。


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