第1章 光を厭い 光に憧る
こうなったら徹底的に気になることを潰してやる。
まずは彼女の周囲から。
彼女の同僚の談―
「あー、人付き合いが苦手とかそういうレベルじゃなくて、シャットアウトしてる感じだよな、仕事の話しかしないし……あ、仕事は早くて正確だから助かってるよ」
「プライベートに口出しするつもりはないんだけどさ、こういう職業柄を抜きにしても友達いないんじゃねーかな」
彼女の上司の談―
「全然愛想なかったでしょ。ここに入った時から変わらずあんな感じなの。勤務態度は真面目そのものだし、仕事も無駄なくキッチリ仕上げてくれるんだけど、会話は必要最低限の業務連絡だけ、お昼はいつも1人でシリアルバーだし、そのせいで勘違いされることもあってね……もっとコミュニケーション取れると色々やりやすくなると思うんだけどね」
そのほかに目良の言葉を裏付けるこんな噂も聞いた。
「学生時代に同じクラスだった奴ら全員、アイツのこと覚えてないって話だよ。ただ、出席記録は残ってるし、卒業できてるから保健室通学だったって言われてんな」
「あの人がいた児童養護施設の人達ね、彼女のこと覚えてないらしいの、職員も含めてよ。ちょっとあり得ないよね」
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