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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第12章 「極蓮の魔女」


榊原さんは荷物を抱えたまま、玄関奥の廊下に目線だけで合図を送る。
すると、奥の襖から、女性が二人姿を現した。
榊原さんの指示を受けて、その女性たちは荷物を受け取ると、決められた手順で奥へと運んでいく。



「それでは、ご案内いたします」



そう言って、榊原さんは廊下を先導するように静かに歩き出した。
わたしたちは、そのあとに続く。


(……広い……)


歩くたびに、足元の木材がかすかに鳴る。
けれど、それさえも音を立てぬよう抑え込まれているかのような静けさだった。


廊下の左右には、絵画や古びた掛け軸が等間隔に飾られていて、
そのどれもが、ただの“装飾”ではないような迫力を放っていた。

歩けば歩くほど、周囲の空気ばかりが気になってきて。
無意識に、きょろきょろと周囲に視線を彷徨わせていた。



「……なに、なんか面白いものでもあった?」



先生がふっと笑うように囁いた。



「っ……い、いえっ! なんか、想像以上にすごすぎて……混乱してます」



顔が熱くなるのを誤魔化しながら答えると、先生はわたしの頭に手を乗せてきた。



「すぐに慣れるよ」



くしゃ、と優しく髪を撫でる手のひらが、どこかくすぐったくて。
緊張していた気持ちも、少し和らいだ気がした。



「こちらでございます」



榊原さんがそう言って、足を止めた先――
廊下の突き当たりにあったのは、分厚い木の扉だった。


(わたしの“力”に繋がる何かが、ここに残されているかもしれない)


そう思った瞬間、無意識に握った手に力が入る。
けど、先生がその手を取って、書庫の扉に手をかけた。


――ギィ……


静かな音を立てて、重たい扉が開いていく。


書庫の扉が開かれた瞬間――
ふわりと、古紙と乾いた木の香りが鼻先をかすめた。
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