第2章 「はじまりの目と、最強の教師」
翌朝、は五条に連れられて教室の前に立っていた。
扉の向こうからは、数人の話し声がかすかに漏れている。
「……緊張してる?」
隣から聞こえる五条の声に、はわずかに頷いた。
「少し……」
「大丈夫、悪い奴らじゃないからさ」
その言葉とともに、五条が扉を開けながら笑顔を向ける。
「みんな、4人目の新しい一年生だよ。さ、、自己紹介タイム~」
教室の中には、すでに三人の生徒が揃っていた。
一歩踏み入れた瞬間、三人の視線がに集まる。
思わず足を止めたが、小さく息を吸い込み、背筋を伸ばした。
「です。……よろしくお願いします」
「おー、よろしく! 俺、虎杖悠仁!」
手をぶんぶん振りながら、少しピンクがかった茶髪の少年が真っ先に声を上げた。
残り二人はに視線をやるだけで口を開かない。
「ちょっとちょっと〜、転校生だよ? もっとテンション上げて!」
五条が大げさに煽ると、
「……テンション高い大人って、不気味ね」
後方の席から釘崎がぼそりと呟いた。
「ノリ悪いねぇ。ま、いいや。僕がちゃちゃっと紹介するね」
そう言って五条は、3人を順番に指し示した。
「まず手を振ってたのが虎杖悠仁。悠仁は呪いの王、両面宿儺の器なんだ。窓際でむすっとしてるツンツン頭が伏黒恵。そして、超田舎から上京してきたクラス唯一の女子、釘崎野薔薇」
怒涛のように畳みかけられる紹介に、は思わず目を瞬かせた。
頭が追いつかないまま立ち尽くしていると、
「……呪力は?」
窓際の少年――伏黒が低い声で口を開いた。
は一瞬、視線の鋭さに息を呑む。