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anxiety

第1章 1



──23:02

「お…終わった…!!」

入力を終え、内容を保存して、バックアップも取った。
力が抜けていた私はデスクの置き時計を見て、青くなった。

「やだっ!!23時過ぎてるじゃないっ!!」

慌ててパソコンの電源を落としながら立ち上がり、デスクの上を片付けて荷物をまとめる。

「も~、shujiさんの言う通り、車で通おうかな…っ」

フロアの窓の施錠を確認して、ドアにも鍵をかける。
そして急いで駅へと走った。
今は23時17分、終電が出るのは23時25分。
そして、駅までは歩いて10分……。
…走れば間に合う距離なのに、今日に限って私は、ヒールのある靴…!!



──23:17

俺は徐々にスピードを落とし、料金所のゲートをくぐった。
事務所にあった彩夏の履歴書を見て、彩夏のアパートも確認してある。
ナビにも入力済みや。
…プライバシー?何の話や。
あとはナビの指示に従って、ここから彩夏のアパートに向かうだけ。

……まだ23時過ぎ、しかも国道を走っとるんに、車の通りがめちゃくちゃ少ない。
……灯りがついてる店がない。

「…めっちゃ暗いやん…」

この暗闇の中を、彩夏は毎晩歩いて帰っとるんやろか…。

「……怖っ」

道路の脇に墓石が見えた。
そう、ホントに化け物が出てきそうな雰囲気が漂っとる。

「………」

田舎、田舎と言っとったけど、まさかここまで田舎だとは思わんかった…。
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