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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第44章 会いたくて…


「ごじょ…ぉさん…?」
「俺はやめとけ。」
「そんな…」
「回復次第すぐ出ていく。」
「解ってます!」
「それに…」

必死になってる美鈴に言うのをためらうわけでもないんだけど…

「わりぃな…大事な奴、待たせてるんだわ」
「…ッッ」
「これから危険になるからって…ちょっと前の所で…今は離れてっけど。そいつしか考えらんねぇんだわ」
「…どうしても…ですか?」
「あぁ」
「黙ってたらいいじゃないですか…」
「ん、そうなんだけどさ?」

前の俺ならそうだったかもしれない。理世と出会う前の、俺なら間違いなく美鈴と同じ考えしてた。
でも、そうもいかねぇんだって…確かにかわいいとは思う。体も下手したら理世よりも胸は大きいしよ、でも…

「そういうんじゃねぇのよ」

自分でも驚くけど、小さく笑っていた…美鈴を、女を目の前で傷つけてんのに…笑えるなんてよ…来るもの拒まず的な男だったのはよくわかってる。だけど…

「…どうしても…ダメなんですね…」
「あぁ。悪い…」
「…なんでかなぁ…」

キュッと服の裾を持って美鈴は寂しそうに俯いている。解ってる…行きずりでも、その場しのぎでもいいって思うよな…だけど、今の俺はそうもいかねぇんだ。理世の顔がちらつくとか…そういうんでも無いと思う…

「悪い。俺が抱けねぇわ」
「…ッッ」

そうだ…俺が、無理なんだ…理世以外の女はもう…感じたくないって思ってるのかもしれねぇ…

俺の話をそこそこに、美鈴はゆっくりと頭を下げて背を向けて部屋から出ていった。
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