第44章 会いたくて…
それから有言実行!と言わんばかりに美鈴は食事だの、なんだのと俺に介抱を施してきた。しかも特別だとかって好きバレしねぇように三蔵や八戒、悟空にまで世話を焼いている。
「…悟浄さん、食事、どうですか?」
「あぁ、上手いよ。サンキュ」
「それはよかったです!」
「そういや、他の奴らは?」
「皆さんも食べてくれてます!ただ…」
「ただ?」
「……いえ、なんでもないです!」
頬を少しだけ赤らめて美鈴は俯いていた。
「…私は…その…悟浄さんがおいしいって言ってくれるのが…一番うれしかったり…って…」
「そう?」
「はい…ッッ」
キュッと両手で自身の手を握りしめている美鈴。そんな彼女がゆっくりと俺をまっすぐに見つめてくる…
「…あの、ここにいる間、悟浄さんのお傍に居させてもらう事は出来ませんか?」
「それってどういう意味?」
「…え…その…」
聞き方がまずかったか…頬をカリッと掻いて俺はその視線を外すことも無いままに視線を混じらわせた。
「……ッッ…好きなんです…一目ぼれっていうか…」
「…そっか…」
「だから…」
「ごめんな?」
「…ッッ」
そう。もう遊びじゃ抱けねぇのよ…理世がいるから…俺が女性からの誘いを断る日が来るとはね…
「…もしかして…女性に、興味ないって方ですか?」
「いんや?めっちゃ女の子好き」
「…だったら…」
「わりぃな…」
そう答える俺の目の前で美鈴は…服を脱ぎだした。
「…あの…私…本当に好きで」
小さくため息にも似た息を吐いて俺はゆっくりとベッドから降りた。
「…起きちゃダメです!」
「いいから…」
そういえば床に落ちたワンピースをそっと持ち上げて体に沿わせれば抱きしめる様にしつつも背中のファスナーを上げてやる。