第44章 会いたくて…
傷だらけになったのは当然のこと…相手が行ってくれなきゃ恐らく俺らの旅路はジ・エンドだった…
もちろん理世との約束も守れずに…
でも、
「悪運しかねぇよな…」
「ぁあ?」
「生きてるんだぜ?まぁた命拾ったぜ…」
「本当に、奇跡的ですよ…」
「立てるか?」
「あーーーー、むりぽ…」
「何語だ…」
そう言いながら村人は俺たちを遠巻きに見ている。だけど、その中の一人の女が近づいてきた…
「ありがとうございます…」
「ぁ?」
「……だれだ…」
「この村の宿屋の娘で…美鈴(メイリン)っていいます…」
「その娘がどうした…」
「あの、よければうちで休んでください…」
「助かるんですが…いいんですか?」
「はい!ぜひ!!」
そう言われて何とか体を起こせばゆっくりと重たい位の体を宿に運んでいく。父親と母親だろう…出迎えてくれた…
色々と言われながらもとりあえず四部屋用意してくれたんだろうな…個室で一台ずつのベッドが体を受け止めてくれた。
「…マッジでついてねぇ…」
ははっと笑えば左手首をするっと撫でる…
「…まだ、付いてっか…よかった…」
切れてなくてよかった…理世との唯一のつながりだ…まぁ、気にしてる余裕なんてなかったし…もし仮に切れてたとしても理世は怒らないだろうし…というか…
「知らねぇか…」
ぽつりとつぶやく声が部屋にこだまし、ふわりと消えていく…
そんな時だ。