第43章 旅路の中で
翌日…あまり寝れてねぇ中でぼんやりとした目覚めだった。こんなことは最近ほとんどなかった…腕を伸ばせば理世がいる…そんな朝ばっかりだったから、なんつぅか…
「…おはようございます」
「…んぁ?おぉ、おはよ」
久しぶりに目覚めに男の顔見た気がした。
「うなされもしないでよく眠られてましたね」
「…そうでもねぇよ」
「まぁ、どれくらいぶりかって感じでしょうし?」
「なぁにがよ…」
「こんな男たちの中で目覚めるってのが、ですよ」
本っとになんていうか、こいつはいつまでたっても八戒だわ…嫌みなのかもしれないけれど、表情は違う。どことなく俺を心配してくれてるって顔だ…
「…わりぃな、心配かけて」
「別に心配はしてませんよ?心配してるとすればこれからの事です」
「…これから…てか?」
「えぇ」
これからって言われてもよ…
「解らないって感じですね」
「あぁ」
「今後もしあなたが妖怪化して、暴走したら…って事ですよ」
「その話か…」
「だめだめなんでしょうけど…恐らくあなたがそうなった時には僕はあなたを殺せませんから…」
「…朝からヘビーだねぇ…」
「だってそうでしょ。理世に恨まれようと、あなたに恨まれようと…きっとあなたを殺せるのは三蔵だけです。」
…そっか…俺の読みが外れたって事か…きっと八戒は殺してくれると思ってたから…でも出来ねぇってか…
「意外…って顔してますね」
「そりゃ意外だろうよ…」
「どうして?」
「だってよ、八戒、お前なら俺を殺せると思ったからよ…?」
「バカ言わないでください、出来ると思いますか?僕が…あなたを殺すって…」
「…あぁ、出来ると思ったわ」
「…何朝から物騒な話してやがる」
「…おや、三蔵。」
低血圧の割に話聞いてやがんな…この坊主は…